サステイナブルな屋外ストーブ
12月の終わりにスタートしたストリートテーブル。屋外会場で寒い冬場をどう乗り切るのかは、はじめから大きな課題でした。
カフェの屋外のテーブルには、よくプロパンガスを使ったパティオヒーターが使われていますが、採用はためらわれました。暖気を貯めることが全くできない屋外空間を、化石燃料を使って温めようとするのは避けたい、とずっと考えてきたのです。
一方で、薪などの木質系燃料を燃やすストーブは、大抵の場合、屋内用の商品で雨にあたったら故障してしまいます。重量的にもかなり重いので、急な雨の際にどこかに片づけたりはできない相談です。
そんなときに出会ったのが、この屋外用のパティオヒーターでした。雨にもまけず、風にも負けず、しかも車輪がついていて動かすこともできます。
早速、輸入代理店の方に連絡をすると、神戸までデモに来てくださるとのこと。ご厚意に甘えて、実機を見せて頂くことにしました。
イタリア製のこのヒーターは、炎を3方向から見ることができるのも大きな魅力です。操作も簡単なこのストーブに惚れ込んで、ストリートテーブルに6台を注文することになりました。
このストーブの燃料はペレットです。製材所などで出てくる木くずを固めたもので、ウサギのエサのように見えます。この燃料が、少しずつ燃焼台に落ちてきて燃え、輻射熱で周囲を温めてくれるのです。
再生可能で、薪と違って煙も出にくいこのペレットですが、気をつけておくことが二つあります。一つめは、ものすごくかさばるということです。20キロのペレットが入った大きな袋がまるごと、フル稼働だと7時間で燃えてしまいます。
そんな大量のペレットを運んでくるのも、保管しておくのも、かなり大変なこと。今回の三ノ宮のストリートテーブルでは、なんとか保管場所を確保することができました。
もう一つの課題がストーブの掃除です。一日使うと、かなりの灰とススが出てきますので、それを毎朝のオープン前に掃除するのです。
決して難しいものではありませんが、煙突掃除屋さんのイメージ通り、油断するとススが顔や手に容赦なくこびりついてきます。丁寧に掃除しないと、色々なトラブルの元になりますので、毎朝試行錯誤を繰り返した結果、ストリートテーブルのスタッフはみんな煙突掃除の実力をめきめきと上げることになったのです。チムチム!
毎日ストーブに火を灯すためには、こんな努力が必要です。
でも、火に惹きつけられ、ぬくもりを感じながら冬のアウトドアホールを楽しんでくれる人びとの姿を見ていると、このストーブ導入は正解だったと感じます。
実際に、ストーブの周囲から直接伝わってくる熱や、煙突部分から漏れ出してくる暖気で、今年の寒い冬をなんとか乗り切れそうです。
この屋外ストーブを満喫できるのも3月まで。冬の楽しみ、サステイナブルな屋外ストーブをお目当てに、ぜひストリートテーブルにお越し下さい。
文章:村上豪英